漢方薬



漢方薬

Kampo Medicine

漢方薬は、複数の生薬を組み合わせた伝統的な東洋医学の処方であり、現代の肥満治療においても注目されています。西洋医学の薬と異なり、体質や症状に合わせて処方を選ぶことが特徴で、体全体のバランスを整えながら、脂肪燃焼・むくみ改善・便秘解消などの効果が期待できます。

メディカルダイエットで使用される主な漢方薬には、「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」「防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)」「大柴胡湯(だいさいことう)」があります。それぞれ適した体質・症状が異なるため、医師の診察のもと、ご自身に合った処方を選ぶことが大切です。

防風通聖散
ぼうふうつうしょうさん

腹部皮下脂肪が多く、便秘がちな方に。脂肪燃焼・便通促進・むくみ改善に効果が期待できます。

防己黄耆湯
ぼういおうぎとう

疲れやすく、むくみや水太りが気になる方に。利尿作用で余分な水分を排出し、体の水巡りを整えます。

大柴胡湯
だいさいことう

体力があり、ストレスによる過食や便秘がちな「がっちり体型」の方に。脂質代謝改善・ストレス抑制に効果が期待できます。

各漢方薬の詳細

体質・症状に合わせた3種の処方をご紹介します

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
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脂質代謝を活性化し、腹部皮下脂肪の分解・燃焼を促進します。便通を促す作用もあり、腹部に皮下脂肪が多く便秘がちな方に向いている漢方薬です。肥満症、高血圧の随伴症状(動悸・のぼせ・肩こり)、むくみ、便秘を改善します。他の痩せる薬と比較して副作用が少ないことがメリットです。

主な効果・効能
  1. 1
    脂肪燃焼:麻黄に含まれるエフェドリンが交感神経を刺激し、ノルエピネフリンの分泌を促します。ノルエピネフリンが褐色脂肪細胞では熱産生を、白色脂肪細胞では蓄積された脂肪の燃焼を促進します。甘草や連翹(レンギョ)、荊芥(ケイガイ)などが脂肪燃焼の信号(cAMP)を分解する酵素(PDE)を阻害することで、燃焼効果を長持ちさせます。
  2. 2
    便秘解消:大黄、芒硝(ボウショウ)が腸の動きを活発にし、スムーズな排便を促します。
  3. 3
    むくみ・尿トラブル改善:体内の水分代謝を整え、余分な水分の排出(利尿作用)を助けます。
正しい飲み方とタイミング

原則として「食前」(30〜60分前)または「食間」(食後2時間程度)の空腹時に服用します。胃が空の状態の方が成分が吸収されやすいためです。

副作用
主な副作用
  • ●消化器症状:激しい腹痛や下痢、胃の不快感、吐き気など
  • ●自律神経・循環器系:動悸、発汗過多、めまいなど(マオウという生薬の影響)
  • ●皮膚症状:発疹、発赤、かゆみ
  • ●大腸メラノーシス:長期的(3〜4か月以上)使用すると大腸粘膜が褐色〜黒色に色素沈着する良性の状態になる可能性があります
重篤な副作用・注意事項(要注意)
  • ●肝機能障害・間質性肺炎:稀に報告されています
  • ●腸間膜静脈硬化症:長期服用によるリスクあり。医師・薬剤師に相談を
  • ●服用後に息切れ・強い倦怠感・黄疸:すぐに医師に相談してください
体の虚弱な人、妊婦、胃腸が弱く下痢をしやすい人、著しく体力が衰えている人は服用前に必ず医師にご相談ください。
防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)
掲載未定

虚弱で冷えやむくみがあり、体力や筋肉が少なく、少し動いただけでも疲れやすい「水太り」体質の人に適した漢方薬です。余分な水分を排出(利尿作用)し、体の水巡りを改善して、むくみ・下半身の脂肪・関節の腫れ・痛み・多汗症を改善します。防己黄耆湯は、より利尿作用に重点が置かれたお薬です。

成分と働き
  1. 1
    防已(ボウイ):利尿作用により、体内の余分な水分を排出する。
  2. 2
    黄耆(オウギ):皮膚の血流を良くし、汗を調整、利尿を促す。
  3. 3
    白朮(ビャクジュツ):胃腸の働きを助け、水分を調整する。
  4. 4
    大棗(タイソウ)・生姜(ショウキョウ)・甘草(カンゾウ):胃腸を整え、代謝・消化を高め、薬の調和を促す。
防風通聖散との違い

腹痛や下痢を起こしやすくする大黄が含まれていないため、防風通聖散よりもさらに副作用が少なく、胃腸が弱い方にもおすすめされています。

用法・用量

成人1日2〜3回、食前または食間に水またはお湯で服用します。効果の目安は3〜4週間程度の継続で変化が見られることが多いです。1ヶ月程度服用しても症状が改善しない場合は医師や薬剤師に相談してください。

副作用・注意点
主な副作用
  • ●発疹、発赤、かゆみ
  • ●食欲不振、胃部不快感
上記の症状が出た場合は服用を中止し、医師・薬剤師にご相談ください。
重篤な副作用(要注意)
  • ●間質性肺炎:非常に稀ですが報告あり
  • ●偽アルドステロン症:血圧上昇、手足のしびれなど。異変を感じたら医師・薬剤師に相談を
大柴胡湯(だいさいことう)
掲載未定

比較的体力があり、ストレスによる過食・便秘がちな「がっちり体型(実証)」の肥満症に効果が期待できる漢方薬です。ストレスホルモン(コルチゾール)を抑制して代謝を上げ、褐色脂肪細胞の活性化や脂質の分解・排出を促進します。肝機能低下による脂肪蓄積を抑え、脂肪燃焼・排出をサポートします。慢性的な便秘解消や、イライラによる食べ過ぎにも適しています。

効果・メカニズム
  1. 1
    脂質代謝の改善:脂肪の分解・燃焼を促進し、肝機能低下を補い脂肪燃焼を促進、余分な脂質の吸収を抑制します。
  2. 2
    ストレスの抑制:柴胡(サイコ)・黄芩(オウゴン)は炎症やストレスを鎮め、高ぶった神経を整え、熱を取り除きます。
  3. 3
    胃腸を整え便秘を解消:胃腸の動きを促進し(枳実:キジツ)、便秘を改善し(大黄)、胃腸の不調や悪心を整え(半夏:ハンゲ・生姜:ショウキョウ)、がっちりした体型の肥満や脂肪肝を改善します。
副作用・服用期間の目安

頻度は低いですが、間質性肺炎や肝機能障害などが報告されています。また、甘草が含まれているため、長期服用により血圧上昇などの偽アルドステロン症が生じる可能性があります。まずは3ヶ月程度を目安に服用することが推奨されています。

服用にあたっての注意

大柴胡湯は体力が充実した「実証」の方向けの処方です。体力が低下している方や虚弱体質の方には不向きな場合があります。必ず医師の診察を受けてから服用してください。

3種の漢方薬 比較表

体質・目的に合わせて最適な処方を選びましょう

項目 防風通聖散 防己黄耆湯 大柴胡湯
向いている体質 体力がある・実証 体力がない・虚証 体力がある・実証
体型の特徴 腹部皮下脂肪が多い 水太り・むくみ体質 がっちり体型・脂肪肝
主な効果 脂肪燃焼・便秘解消 むくみ改善・利尿 脂質代謝改善・ストレス抑制
便秘への効果 あり(大黄・芒硝) なし(大黄不含) あり(大黄)
胃腸が弱い方 注意が必要 比較的おすすめ 注意が必要
ストレス過食 △ △ ◎
服用タイミング 食前・食間 食前・食間 食前・食間

よくある質問(Q&A)

漢方薬に関するQ&A

体質と症状によって使い分けます。腹部に皮下脂肪が多く便秘がちな方には防風通聖散、疲れやすくむくみや水太りが気になる方には防己黄耆湯、体力があってストレスによる過食やがっちり体型の方には大柴胡湯が向いています。ご自身の体質に合った処方を選ぶことが重要ですので、必ず医師の診察を受けてください。
原則として「食前」(食事の30〜60分前)または「食間」(食後2時間程度の空腹時)に服用します。胃が空の状態の方が成分が吸収されやすいためです。胃腸が弱い方は食後に服用することもありますが、まずは医師・薬剤師の指示に従ってください。
漢方薬は比較的副作用が少ないとされていますが、長期服用には注意が必要です。防風通聖散・大柴胡湯に含まれる大黄は、3〜4か月以上の長期使用で大腸メラノーシス(大腸粘膜の色素沈着)や腸間膜静脈硬化症のリスクがあります。また、甘草を含む処方では偽アルドステロン症(血圧上昇など)のリスクもあります。定期的に医師・薬剤師に相談しながら服用することが大切です。
胃腸が弱い方には、大黄を含まない防己黄耆湯が比較的おすすめです。防風通聖散や大柴胡湯は大黄を含むため、下痢や腹痛を起こしやすい方には注意が必要です。ご自身の体質を医師に伝えたうえで、適切な処方を選んでもらうことが重要です。
個人差がありますが、防己黄耆湯では3〜4週間程度の継続で変化が見られることが多いです。防風通聖散・大柴胡湯も同様に、数週間〜1か月程度を目安に継続することが推奨されています。1か月程度服用しても症状が改善しない場合は、医師や薬剤師にご相談ください。なお、漢方薬は食事管理・適度な運動と組み合わせることでより高い効果が期待できます。

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